Navigation to the Extreme

月曜日, 12月 04, 2006

デンマークの教訓

Navigation to the Extreme: デンマークでのオリエンテーリング

おとといの追加で、じゃあ日本への適用はと考える。
Mさんの話は以下のようにまとめられると思う:
・タレントは突然変異だった>何か特別な施策があったわけではなさそう
・一人の世界的な成功は他のメンバーを大きく刺激し、レベルアップにつながった
・オリエンテーリングへの非常に大きなコミットメントが、比較的同じレベルだったランナーたちの間に大きな差を作った。

この話はデンマークだけではなく、様々なオリエンテーリング中堅国で共通していると思われる。ようするにかつてないタレントを持った選手が突然現れ成功し、且つ北欧に住むなどして力を伸ばし、他の選手を大きく刺激した。エリートシーンの傍観者としての意見だが、今は日本より遥か上にいるオーストラリア、フランス、イギリスでもそのようなことではなかろうか。

>突然変異のタレントのある選手が子供の頃から親に連れられてオリエンテーリングをしていたという話を聞くと、今の二世の子供達をオリエンテーリングを楽しませ、且つ継続的に続ける環境を作ることが、おそらく日本のオリエンテーリング界の少なくとも強化という面では重要かがわかる。どうだろう、世界のトップ選手で、中学レベルでオリエンテーリングをしていなかった人はいるのだろうか?

>一人の成功は他を大きく刺激したことを考えると、比較的多くの強化選手に薄くリソースを分けるより、一人のタレント(見極める困難さはあるが)にコミットして、成功させるのが重要に思える。

>また、世界的な成功のためにはデンマークの選手たちが活躍はじめた10年ほど前より、トップのエリート化が進んでいることを考えても、より多くのコミットメントが必要なことが伺える。

そんなことを書いていると、じゃあ、今の日本のトップ選手は全く無意味なのか(日本の世界への活躍のために)、といわれるかもしれない。それについては、「彼ら個人の結果は無意味である」と言わざるを得ない。少なくとも、今のレベルの選手が、世界のトップ選手と同じレベルのコミットメントをしないまま、国内からの活動で世界で表彰台に上ることをイメージできるか?正直に肯定できる人はいないだろう。組織として結果を期待することが無意味なだけである。それは同時に、結果を求めて強化にお金を出すことも無意味-特に今のJOAの経済状況を考えれば-といわざるをえない。

とはいえ、個人個人が自らのオリエンテーリングをレベルアップすることは当然肯定できることであるし、可能性は(ある意味)無限といえよう。また、長期的な強化の観点では非常に重要であろう。仮に突然変異のタレントある子供が出てきたら、まずはじめには活躍する国内のエリートシーンが必要であるし、倒すべき国内の旧世代のチャンピオン-強ければ強いほうがよいのだろうが-が必要だ。そして、彼もしくは彼女が仮にオリエンテーリング界の期待をしょってコミットメントを深めようと思ったとき、北欧での生活を考えるなりしたときに、先に道をつくっている人が-どういうレベルであろうと-いれば、その道はないよりかは楽になるはずなのだから。