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水曜日, 10月 11, 2006

強化選手と強化選手を支える仕組み

今、強化選手、強化委員会の中で強化選手になるメリットが話題になっている。いろいろ意見はあるのだが、ようするに、現在は、選手が強化選手になってもメリットがあまりないと感じている、その程度しかメリットがないのである。これは僕が強化選手であった頃からあまり大きく変わっていない。選手だった僕はそのことにやや不満を感じていたが、オリエンテーリング界のリソースのなさから考えれば仕方がないなと諦めがあった。

しかし、メリットを受ける側から、メリットを与える側-選手から見ると-なり、ファンなりに立場が変わり、見方は大きく変わった。選手(および強化委員会)に考えて欲しいなと思うのは、強化選手と強化委員/支援者は一つのチームであってどちらかがメリットを提供し、どちらかがメリットを享受するべきではないということ。日本代表という観点でいえば、国際舞台(具体的には世界選手権とワールドカップ)で良い成績をあげるのはJOAとしての事業。結果については強化委員会、支援者、選手、JOAのその他の部門それぞれの役割を充分に発揮してこそ得られる。チームジャパンじゃないといけない。

チームジャパンが大企業なら良い。それぞれ役割は比較的明確、分担されている。しかし現在チームジャパンは中小企業である。いや、中小企業どころか、赤字垂れ流しの零細企業。言ってみれば、個人事業主が集まって、これじゃ先が見えてるから法人化しようか、といったところなのだ。そこで強化選手が「メリットは何、もっとメリットが欲しい」と言っているのは、零細企業の中で、営業マンが「売り上げをもっと上げるためには、もっと営業の負担を軽くしないと駄目だー」と言っているのと似ているような気がする。もちろん、営業の負担が軽くなれば、売りやすくなるのは当たり前だ。しかし、それは、零細企業の中で考えると、他のメンバーにもっと負担してくれって言っているのと同じこと。

仮に、そのようにしたときに、エース営業マンがすごい結果、売り上げを出せるのならそれが良いかもしれない。エース営業マンが結果を出すまで、バックの人たちはひたすら我慢すればよい。売り上げが上がってきたら、会社も拡大し楽になるかもしれない。上場し、金持ちになるかもしれない...という夢を持ち続けれるかもしれない。でも、エース営業マンが、「やっぱ辞めた」ってことになったら?エース営業マンが実は楽になった分副業をしていたら?そして、何年も続けていても結果が出なかったら?それでも、バックの人たちは夢を見続けられますか?

もしかしたら、強化選手にメリットを与え、強化委員会/支援者の負担を増やすよりも、強化委員会/支援者の負担を減らしたほうがチームジャパンとして良い結果が出るかもしれない。少なくともその検討は必要なのじゃないかな?

じゃあ、メリットがないなら強化選手になりたいと思う人なんかいなくなるんじゃないか?って言う人がいる人がいるはず。そういう人たちは個人事業主で続ければよい。別に問題ない。ただ、チームジャパンの一員になれば、零細企業かもしれないがチームとして結果を求めることができる。また、チームジャパンの商品を企画開発し、自分でそれを営業することができる。

そう思う。