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水曜日, 12月 26, 2007

セミプロ選手

オリエンテーリングの「セミプロ」選手は何人かいる。ここでいうセミプロは職場で何かしら選手活動に関して優遇されている選手を言う。基本的に彼らは、職業としてのキャリアパスより競技を優先している。時間短縮で働いている、長期遠征で休めることを約束されている、フレックスや残業なしでトレーニング時間が確保されているなど、何かしら競技に関して特別な待遇を受けている。
本来こういった選手は、そうでない選手、つまりフルタイムで職場の同僚と同じ条件で働いている選手達と比べ、トレーニング時間が多いことを主な理由に、優れた結果が出ても良いはずである。また、こういった選手はそこまで競技にコミットするつもりの選手達であり、競技で結果を出すインセンティブや意気込みは他の仕事両立選手より高いはずである。そういった意味では、ぜひとも応援したい選手達である。

しかし、現実というのは厳しい。スポーツは案外、努力、トレーニング量、コミットメントがストレートに結果に反映しない。結果だけを見るに、女子でずば抜けている番場を除き、男子に関しては、結果からは誰がこういった「セミプロ」は判断できないだろう。

結局、努力、トレーニング量、コミットメント等は他の選手より優れた結果を出す確率は高めるが、絶対的ではない。単純な、能力の向上という面でも、素直に努力した分早くなるとも限らない上、故障したり、たまたま不運なレースが続いたり、コンディショニングで失敗したり、重要なレースだけ結果が悪かったりと、結果につながらない理由はいくらでもある。

とはいえ、世界のトップ選手と張り合うためには、十分なトレーニング量と遠征時間を確保できることが重要なのは明らかである。日本の強化という観点からは、とにかく、こういった環境の選手を増やし、誰かがブレークスルーする確率を高めるしかないのでは。そのためにも、現在そういった環境の選手達の努力が少しでも実り、せめて日本のトップになるにはそういう環境でないとだめであるという状況を作ってほしいものだ。