Navigation to the Extreme

月曜日, 3月 02, 2009

加藤選手

今最もホットな選手か?円井もウェブで取り上げていたが、早い。結果を見ても早い。サンスーシの結果を見ても、二位の紺野に3分以上つけている。ラップを見ても、トップラップばかり。二クラスに分かれていたといえ驚きである。別にサンスーシだけではない。早稲田では2位に5分以上。ときわでも3分。
春合宿で話をしたが、その速さの理由がちょっと分かったような気がした。早すぎてテレインでは観察できなかったのだが。。。まあ、最近足が多少スピードアップしたようなのだが、それよりも、ナビゲーションの仕方に理由があるような気がする。

レースやレッグの解説をしているのを聞いて強く感じたのは、AからBにいくための最も早い手段を常にとっているということだ。最も早いルートじゃない。一番早い方法というのだろうか。どういうルートだろうが、ミスをしようかあまり関係ない(もちろん全く関係ないわけではないのだが)。とにかく早ければいい。解説にそういう気持ちが伝わってきた。

加藤はスプリント競技を重視しているが、やはり、オリエンテーリングに対する影響は大きいそうだ。自分はあまりスプリントをしていなかったのでなんともいえない。どういうルートを辿っているかというレベルのナビゲーションは全く問題にならないな、という印象がある。とにかく早くてチェックポイントを通過すればなんでも良い。うまいナビゲーションをすることに価値がない。

昔、海外のトップ選手に話をしていて思ったことなのだが、オリエンテーリングはナビゲーションのスポーツじゃない。コースがチェックポイントでしか定められていないタイムトライアルなのだ。ナビゲーションは単にそれを支援する要素である。もちろん、これはナビゲーションが重要ではないと言っているのではない。とても重要なのである。でもそれは、頭で考えるレベルのナビゲーションではない。「いいルート」を「うまく走る」というナビゲーションではない。体に染み付いたスキルとしてのナビゲーションが大事なのである。早くチェックポイントに到達するのに邪魔にならないレベルのナビゲーションが必要なのだ。

加藤の実践しているのは、まさにこのチェックポイントに最も早く到達する競争のために必要最小限のナビゲーションであるような気がした。